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先週に能郷の手前の倉見山へ登った際、来週の13日の日曜日は能狂言の奉納の日だな、また行ってみようと急に思い立った。
前は2014年4月13日に初見だった。この時は天気が良くて多くの来場者があり、地べたに座って鑑賞した記憶がある。
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今日は朝から雨の予報だった。能郷白山神社の能狂言の奉納は毎年4月13日と決まっているので雨天決行です。能狂言保存会の人らも半年前から仕事が終わった後、一定の場所に集まって練習をして来たわけです。所作、セリフ、間合いに乱れがあっては芸にならないので真摯に練習されてきたと思います。
予定の7時半には出発できず8時半になってしまった。名古屋高速から名神・一宮ICを経由して東海北陸道から美濃関JCTから東海環状の山県ICで降りた。地方道を走って金坂峠を越えると金原である。ここからはR157を一本道になる。雨のせいか、根尾川も濁流と化した。薄墨桜の公園付近も車は少ない。
出発して約2時間後の10時30分過ぎに白山神社に到着。高速道路をフルに利用して片道95km。地道だけなら3時間だが、そんなに急ぐことも無かった。開演までの待つ時間も実は面白い。
関係者らが集まって準備中だった。指定のPに案内してもらって簡単な服装で神社に戻る。10時から予定の神事はすでに終わっていたのでカッパを着て本殿に参拝。非常階段みたいな急な石段を登って参拝を済ませる。また車に戻って羽毛ジャケット、雨合羽上下、登山靴姿で戻った。
開演前に神社脇の受付に係りが着席したので金五千円を寄進。お返しに小さな羊羹をくれた。これには「撤饌」と印刷されている。撤饌とは本来ならお米、清酒、お餅などの神饌(供物)に対するお下がりの意味。神社の方から手渡される際の箱に『撤饌(てっせん)』と書かれてある。神様にお供えされたものを食べる=神様の力を体の中に取り込むということになります。神社から、神様から分けていただいたありがたいお下がりです。美味しく食べることにします。前は落雁という粉菓子でしたが今回は井村屋の羊羹でした。
12時前後、根尾谷最奥の村となった能郷付近にコンビニや飲食店はないので予め用意したパンとミルク、バナナを車内で昼食は済ませた。
本当は屋台でも出ると良いのだが。
開演13時が近づくと、参加者らのクルマが続々着いた。Pには岐阜ナンバーに交じって神戸ナンバーもあったからファンがいるのだろう。参加者は120人と中日新聞は伝える。
定刻通り上演される。
1.能:式三番(露払い・翁・三番叟)
2.狂言:丹波淡路
3.能:高砂
4.狂言:宝槌
5.能:田村
6.狂言:鐘引き
7.能:羅生門
以上の演技を順次鑑賞。やっぱり能は厳かであり、狂言は諧謔的な面があって違いを楽しんだ。特に能は後半になるに従い動きが派手になり、衣装も彩色されて華麗な雰囲気がある。
書いている途中で白洲正子の『かくれ里』や『お能/老木の花』『世阿弥』などを手にしてみた。しかし、能郷の能は芸として確立させる前の素朴な形式なんだそうです。そのままに味わう方が良いようです。世阿弥の能はまた機会があれば鑑賞してみたい。
約2時間たっぷり中世以前の古式ゆたかな世界に浸った。
目の前は依然として大雨である。世俗の垢を洗い落とせたんではないか。一斉に能郷を後にして帰る車が列をなした。その中に私もまじって帰名した。冷えた体を温めに一週間ぶりに根尾川谷汲温泉に立ち寄り入湯した。R157を南進、R21に左折し忘れたのでそのまま南進し、安八スマートICから名神に入った。大降りであった。
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