使用貸借の後始末
2024-04-30


事務所の備えの書籍で調べると今回の相談の肝は使用貸借の清算ということ。相談者は高齢であり心臓も弱っており手術も勧められているらしい。死が迫る年齢になって妻や子供たちが困らないように始末をつけたい。さてどうする。
 ネットで検索するとこんな事例は多数ある。
 根拠の法例は「民法593条(使用貸借)
使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。」

 「使用貸借は口約束のみで成立するとされているため、契約書の作成は必須ではありません。たとえば、借主が「自転車をタダで貸してください」と言い、貸主が「わかりました。使い終わったら返してくださいね」と返答すると、使用貸借契約は成立します。

使用貸借の貸主は、原則として借主にいつでも契約の解除と貸したモノの返還を要求することが可能です。契約期間を決めたときは、期間満了時に使用貸借は終了します。

使用貸借の契約中に貸主が亡くなっても、契約は終了しません。ただし、借り手側が亡くなると、使用貸借は自動的に終了します。」
「3.使用貸借を解消する方法
使用貸借契約を解消するときの手順は、以下のとおりです。

「期間」や「使用及び収益の目的」を確認する
借主に契約の解消を伝える
必要に応じて原状回復を依頼する
手順を1つずつみていきましょう。

3-1.「期間」や「使用及び収益の目的」を確認する
使用貸借を解消したいときは、契約時に取り決めた「期間」や「使用及び収益の目的」を確認しましょう。民法では「契約期間の満了」または「使用及び収益の目的の達成」によって、使用貸借が終了すると定められているためです。

民法597条(期間満了等による使用貸借の終了)

当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する。
当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。
使用貸借は、借主の死亡によって終了する。
引用元:民法597条|e-GOV検索
たとえば「令和6年3月31日まで使用する」という期限を決めていたのであれば、その期限が到来すると使用貸借は終了します。また、契約期間を決めていなかったとしても、使用及び収益の目的を達成したとき、貸主は使用貸借を解除することが可能です。

使用及び収益の目的とは、借りたものを使用する目的のことです。たとえば「書類を作成するためにパソコンを貸す」という使用貸借契約を結んだ場合、書類を作り終えたときに使用及び収益の目的を達成したといえます。

3-2.借主に契約の解消を伝える
契約期間が終了している場合や、使用及び収益の目的が達成していると考えられるときは、借主に使用貸借の解除を伝えることで契約は終了となります。

一方で、契約期間中や使用及び収益の目的を達成していないときに使用貸借契約の解除を求める場合は、借主と交渉しなければなりません。

たとえば、使用貸借で土地を貸していた場合は、借主と交渉をして立ち退いてもらう必要があります。話し合い次第では、立ち退き料の支払いが必要になることもあるでしょう。

立ち退き料が必要かどうかはケースによって異なるため、話がまとまらないときは不動産専門の弁護士に相談することをおすすめします。」
[行政書士]

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