早朝5時30分に名古屋を出発。石徹白へは8時30分に着いた。高速道路のおかげで早いものである。石徹白は何年振りかで訪れる。アルペンスキー場はウイングヒルズ白鳥リゾートスキー場に名を変えてやっている。石徹白スキー場は閉鎖し、白山スキー場はスノーウェーブパーク白鳥高原スキー場に名が変わった。
以前との違いは別荘がとても増えたことである。以前に来た際に石徹白川右岸に別荘が並んでいて驚いたものだった。こんな豪雪地帯なので利用できるのは6カ月くらいだろう。
白山中居神社に着いてみたが、Pには車2台あるのみ。対岸に渡ると品川ナンバーが1台置いてあった。これが行方不明者のマイカーだろうか。他には誰もいない。時折、釣り人らしいのが通りかかる。捜索本部があり、多数の捜索隊をイメージしていたが、これではどうしようもない。
中居神社の社務所の人に聞くと5/5に一度ヘリコプターは飛んだがすぐに解散してしてしまったらしい。今は山頂への尾根も藪が出ているので、山菜とりと同じで捜索隊の二次遭難を考慮したとも言われた。どこで聞いても同じだと、自信ありげにいう。これではモチベーションが一気にしぼんだ。
北陸へのドライブに切り替えた。中在所まで戻ると、鮎川信夫への詩碑への案内板があったので見に行った。
山を想う 鮎川信夫
帰るところはそこしかない
自然の風景の始めであり終りである
ふるさとの山
父がうまれた村は山中にあり
母がうまれた町は山にかこまれていて
峰から昇り尾根に沈む日月
おーいと呼べば
精霊の澄んだ答えが返ってくる
その谺のとどく範囲の明け暮れ
在りのままに生き
東洋哲人風の生活が
現代でも可能であるのかどうか
時には朝早く釣竿を持ち
清流をさかのぼって幽谷に魚影を追い
動かない山懐につつまれて
残りすくない瞑想の命を楽しむ
いつかきみが帰るところは
そこにしかない
石徹白は父親の出生地らしい。
[URL]
詩碑に佇んでいると、ぽつりと冷たいものが降ってきた。今日は雨になるのか。長良川流域では晴れていたが、日本分水嶺を越えると日本海側の気候になり、じめじめと湿った雨が降り、悪いのである。
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