野に遺賢なし
2018-11-07


冨山市まで仕事探しの旅だった。これで先月の高岡市につづいて2回目。往復バスのドライブで少し疲れた。8時前に名駅前を出発。現地のテクノセンターには11時30分に到着。意外に早い。
 分水嶺を越えて飛騨の山の黄葉は良かったが空が曇っていた。
 中心地から離れているので時間まで手持無沙汰である。順番が来て対面する。不動産と介護施設を中心に手広く経営。ただ、中堅幹部が居ないとのこと。募集しても来ない、来てもすぐ退職する、定着しないことが経営課題だった。
 さて、詳しく聞くとどうやら常勤の番頭さんが欲しいらしい。すべてを任せられる能力があるゼネラルマネージャーという。
 そりゃあなたここはシニア人材のマッチング会であって、謂わばレッスンプロが応募する。相手先はトーナメントプロを欲しがっているのだった。
 対面した取締役副社長は元銀行員だけあって緻密な人らしい。入社してもすぐ退職するのはこの経営幹部の人の使い方が原因と直感する。一々細かいのだろう。
 一体どんな待遇で迎えるのだろうか。欲しがっている人材はこんな所には来ない。人材銀行にも登録しない。どっちかと言えばヘッドハンティングして来ていただくものだろう。今の勤務先も厚遇で離さない。
 「野に遺賢なし」なのである。
 結局話は進展しない。パンフを見せられて、何か気付いたことを指摘してくれと横柄な奴だった。椅子を蹴って退場するのも大人げない。中産連さんの手前もあることだし。そこで思いつきで提言した。
 曰く
1 社名はアルファベットにするべし
2 資本金は1億円以上でないと若い人は来ないから、グループの総資本で表示すること。但し、1社だけで1億円にすると、役員に税理士の参与を置く義務があるので1億円に近い数字にする。
 売上、社員数もグループで合算すること。
3 富山県は人材流出県であり、若い人に逃げられている。名古屋へは高速で3時間圏。名古屋の大学にも社員募集するべし。冨山の出身者がJターンする望みはある。
4 その他、近代的なオフィスビルにするとか、いろいろ浮かぶ。

 社員にカネを支払い続けるのは大変なこと。出社してくれるだけでありがたいと思うことだ。それでも少しの待遇の差で転職してゆく。銀行員出身者は上から目線を修正することだ。
 
 富山県は今も単身赴任者が日本一らしい。大伴家持以来の伝統か。やはり家族ともども移住するだけの魅力と経済規模がないのだろう。人材をとどめるにはどうするか。これから益々人材不足になる。黒字倒産もささやかれて来た。

 昔から社員数が300人、売上は500億円が倒産の分岐点という。要するにマネージメントがおろそかになりやすい規模である。面談した会社もそうなる可能性はある。
 野に遺賢なし。社員を育てることが急務のはず。レッスンプロのシニア人材を活用すれば良いのにと思わざるを得ない。あの副社長さんの発想の転換が必須だ。政府の護送船団方式に守られてきた銀行員に出来るのだろうか。頭が良いだけの人と思った。
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