登山とヘルメットを考える
2013-07-01


6/29から6/30にかけて名古屋駅前のウインク愛知で開催された中部経済新聞社の「第1回夏山フェスタ」は成功裡に終わった。関係者からの情報によると、なんでも4000人以上の入場者があったらしい。

 6/30は御在所の藤内で岩登りのトレーニングに出かけたが、雨で、藤内小屋から引き返した。一旦帰宅後、再び会場入りしたが、30日も混雑した。

 この間のセミナーで得たのはやっぱり山岳遭難の事例である。

 6/29は三重岳連の居村氏が、鈴鹿山系の事故例を示された。その中で印象に残ったのは、初夏の頃の鈴鹿では照葉樹林の落葉が登山道を埋めているという指摘があった。照葉樹林の葉は脂分を含むので凍結した雪面以上に滑りやすいというのである。

 こんな指摘はこれまでにないので、新鮮な情報提供であった。鈴鹿は南北に長く、中央部以南の低山帯では照葉樹林帯が残る。このことは登山教室で使うテクストにも反映させるように話をした。 

 確かに、私も捜索で庵座谷道を歩いた際、滝の手前の小峠の手前が滑りやすかったのでその周辺をよく見回した。6/9に発見されたときは消防署員を案内して中尾根を登ったが、この際も落葉の上で滑りやすい箇所があった。
 滑落は不意に起きるので、事故を想定してヘルメットの着用が望ましいと思った。

 6/30にも、長野県警の山岳救助の現場の人が、豊富な写真を用いて遭難例を示されたが、稜線から150m転落すると、頭蓋骨、顔面が傷だらけになる。リアルな写真に驚かされる。もう一方は、ヘルメットを着用していて、無事に救助された例も印象的だった。両足骨折というにも関わらず、ヘルメットで脳が守られて、意識があったこと、ザックとウェストベルトをしていたお陰で背骨を骨折せずに済んだこと、などが説明された。転落すると岩だらけの谷をゴムまりのようにもんどりうって落ちるようである。ヘルメットなしではひとたまりもない。

 長野県警では一般登山者にもヘルメット着用を呼びかけている。
[URL]
このサイトの写真が、セミナーでも使用された。

[URL]

 岩登り、沢登り、冬山では常識装備のヘルメットであるが、いよいよ、夏山の一般登山者にも広がりを見せつつある。私は沢登り10年以上で、今、二つ目を使う。数年で傷だらけになって買い換えた。一般登山では消耗することもなく一生ものであり、保険料として買うことがいいだろう。

 会場で配布された500円のクーポン券を使おうと、早速、駅前アルプスにヘルメットを見に行ったが、サイズがない、金額が高いこともあり見合わせた。
 私は沢をやる際には工事用ヘルメットで間に合わせている。これで充分か。1500円程度。登山用はおしゃれだが6000円から10000円位。但し、岩をやる人は工事用ヘルメットは前に張り出した部分が登攀の邪魔になるとかで、張り出しのない形になっている。沢では特に不自由ではない。
 同じ悩みを相談する人の回答は
[URL]

 遭難者の多くが単独行という指摘はなかった。むしろ、道迷いという原因に力点が置かれた。その結果として転落、滑落になるようだ。何があってもいいようにヘルメットの着用が頻繁に呼びかけられる時代になりそうだ。転落して五体不満足でも脳が守られれば、救助を待つことができる。

 1年でも長く山を楽しむためのヘルメット着用はコスト以上のパフォーマンスがあると思う。
[山岳遭難]

コメント(全1件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット