信州山岳ドライブ登山@
2013-04-08


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Aさんは「安曇野だより」という小冊子の発行を始めた。日常生活や登山、釣り、農作業、家族の話題、山の本、交友録を綴った。これが友人、知人らに配ると好評で、知人を通じて見知らぬ人からも催促されたらしい。なぜなら、Aさんの定年退職後のハッピーリタイアメントに好奇と興味の心をもたれたに違いない。

 私も恵贈を受けたので、丸山健二『田舎暮らしに殺されない方法』(朝日文庫)を引用して、賞賛と心配の入り混じった礼状を書き送った。
 友人の多いAさんのことだから、そして東京からも訪ねてくる友人が多いらしく、田舎暮らしにありがちな孤独感を味わうことも無さそうである。

 天気は崩れそうには無く、まだ時間もあるので、麻績村の聖山へ行きましょうと提案したら、みな賛成してくれた。Aさんの奥さんも同行してくださる。県道51をまたR19まで戻る。明科駅の先でR403に右折すると篠ノ井線や長野自動車道と並行する山岳路を走る。聖高原駅を見て、道路は山間の小盆地から羊腸の道を登り、聖湖に着く。その先に猿ヶ馬場峠がある。

 右折すると一本松峠へ行く。冠着山(姥捨山)1252.2mの登山口になっている。一本松は井上靖原作『通夜の客』の映画「通夜の客から ある愛」のロケ地であった。28歳ころの美しい有馬稲子の代表作である。この映画をTVで観た。その後、ネットで松竹からダウンロードして観たが、背景に北アルプスの山なみが出てくるのでびっくりした。山陰の中国山地では絵にならないので、ここが選ばれた由。

 聖山へはR403の聖湖から左折する。狭くて、タイトなカーブの登り坂をエンジンを唸らせながら登坂する。雪が解けて地肌がでたばかりの感じである。いくつかのポイントを過ぎると、いよいよ山頂への最後の看板を見る。白樺湖から聖山の北面に開かれたスキー場の斜面を登る。山頂直下まで道は続いていたが、小広いところに止めた。蕗の薹が一杯生えている道を徒歩で5分?ほど喘ぐこともなく、1447.1m山頂に着く。平成5年に改埋された右書きの一等三角点本点の山である。

 周囲の一等三角点を思いつくままに挙げてみると、前常念、鉢盛山、前穂高岳、白馬岳、武石峰、権見山、須坂基線、髻山、陣場平山、井上山、雁田山、斑尾山、岩菅山辺りが視野に入ると思われる。

 周囲は360度の大パノラマだ。北アルプスは言うに及ばず、戸隠高原、志賀高原、上信高原など。筑北三山の一つで最高峰、ここは2回目の登頂であるが、四阿屋山は既登、残る未踏は冠着山である。長野県のヘソのような位置にある。ちょっと開発し過ぎであるが、楽してこのパノラマは感激する。

 堪能後は、蕗の薹を摘みながらの下山となった。岐路はR403へ戻らず、北の道を辿り、狭隘なR19へ下った。そこから、枝道に入り、峠を越えると県道51へぽんとでた。Aさん宅へはすぐだった。

 夜は食事しながら、酒を飲み、山談義に花が開いた。

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