四国の山を歩く(工石山、天狗森、旭ヶ丸)
2007-11-25


11/24、朝からいい天気である。外に出ると天狗森が朝日を浴びている。ダム湖は修理中で水を抜いているために殺風景であった。魚梁瀬は周囲を山に囲まれた秘境であった。古くは平家の落人伝説が残る。落ち延びてきた人が魚を捕るために簗を仕掛けたことが地名の由来という。おそらく豊富な魚が飢えた人々に希望を与えたであろう。時代は移って林業が盛んになり豊富な森林が村の経済を潤した。かつては森林鉄道が人々の足だったという。この宿も盛んなりし頃に増築を重ねて立派な外観を保つが林業が途絶えた今は閑古鳥がなく。たまにはアウトドア目的のキャンパー、渓流釣り、登山者も来るのであろう。約30年前には今西錦司一行が投宿して天狗森に登山している。
 朝7時半、宿を出て登山口に向った。橋を渡り、林道に入る。整備はされているらしく極端な悪路ではない。行けるところまで走って路肩の崩壊した所でデポ。8時過ぎ、林道を歩き始めるが朝日を浴びた紅葉がまことに美しい。全体は植林山であるが林道近辺は紅葉する落葉樹が多い。
 9時過ぎ、尾根の登山口に着いて登山道に入る。この尾根は中々急であった。ジグザグを繰り返しながら登って行くと山腹に突然原生林と見られる大径木が林立する。おそらく木材の用途として価値がない栂の類であろうか。登山道は整備されていないが赤テープもあって迷うことなく登れる。伐採中で倒木地帯の所を通過すると尾根に戻る。
 緩やかになった尾根の上はススキが繁る。これも陽光を浴びて美しい。ここからはダム湖と丸山台地が俯瞰できた。ネットに沿って登り切ると1102の独立標高点のある台地に着く。檜の株があって休むにはいい。
 台地から標高差にしてもう200m弱となった。アセビの群落の間を通過して再び森の中を登る。ここも原生林が残る素晴らしい自然景観である。山頂へはあっけなく着いた。笹の間を抜けるとぽっかり山頂が開かれている。いつもながらの満足感に浸る。1等三角点がひときわ大きく見える。後続も登ってきた。皆満足そうだ。展望は南の装束森が山頂のアンテナ設備のためはっきり同定できた。土佐湾に面した安芸市の目高森、剣山などはともかく他の知らない山々の同定に忙しい。
 約30分の滞在で下山した。Nさんがいつの間にか赤い布を付けていた。これがあると迷わず早く下れる。林道を下り車に戻るとほっとする。魚梁瀬の橋まで戻って右折。昨夜は闇で分からなかったダム湖を見ながら走る。展望台に寄り道して写真撮影もした。ここから見ると丸山台地の背後には名山の千本山がどっしりと座っていた。宿の人たちから「展望台に寄ったか」と聞かれた理由はこの景色を自慢したかったのだと話し合った。
 山間に潜んで暮すような陸の孤島=魚梁瀬よさらば!
      徳島県・小松島市に向う
 ダムを後に下ると左折して馬路温泉へは行かず、徳島県に向った。途中には野根山街道の旧跡があって再び来ることを誓った。装束森の登山口にもなる。古い官道であった。四郎ヶ野峠を下りきると平野部に辿り着く。広大な太平洋が広がった。左折してR55を走る。今日は小松島市で泊まる。宿まではまだ長いドライブである。
 小松島市に入ったのはいいがR55はバイパスに変り、旧R55は県道120に変更されていた。旅館までは中らずとも遠からずのところで道を聞いて何とか着いた。馬路村から約130Kmは走った。今夜は打ち上げということでまたビールで酒宴となった。
     旭ヶ丸1020mに登る

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